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田邊優貴子の研究と旅「そんな極地に魅せられて」その1

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南極や北極を舞台に極地における生態学を研究されている

フィールドワーカーの田邊優貴子さん。

はじめてお会いしたときは

「え!こんな華奢でシュッとした人が南極でフィールドワーク!」

なんてプティサプライズだったのですが、

お話してみると、フワフワと優しいながらも、

ピシッと音がするような一本筋のとおったステキな方でした。

そんな田邊さんとの突撃!雑談インタビューの第一回です。

 

(文章・写真=池ノ谷英郎/聞き手=山本喜昭)

=====

 

山本>

「雑談の中に真実がある」というコンセプトで

ざっくばらんにお話しさせていただいていますので、

よろしくお願いします。

 

 

田邊>

よろしくお願いします。

 

 

山本>

ひょんな繋がりでしたよね。

失礼ながらそれまでは田邊さんを存じ上げてなくて。

 

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田邊>

いえいえ、もちろんそんな(笑)

 

 

山本>

女性の研究者を探したいなと思っていたら

ドンズバでGoogleが紹介してくれました(笑)

 

 

田邊>

なかなか私がアウトドア関連の何かをしているわけではないので、

知り合う接点が無いと思うんですよ。

 

 

山本>

無いですね! 確かに。

田邊さん、次に南極に行くのはいつなんですか?

 

 

田邊>

次は10月にレイク・アンターセーに行きます。

10月中旬から12月末のクリスマスくらいまで

2ヶ月くらいです。

 

 

山本>

すごいですね、頻繁ですね!

1年の4分の1くらいは行ってません?

 

 

田邊>

そうですね。日本の南極観測隊よりは短期間で行けるので。

日本の観測隊だと短くて4か月、

長いと越冬隊が1年4か月にもなります。

それに比べると2ヶ月で行って来られるのが

すごく効率的です。

 

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山本>

ショートトリップ的な(笑)。

でも毎回違うテーマを持って行かれるのですか?

 

 

田邊>

毎回ある程度は一緒で、その延長線上に違うテーマがある感じですね。

 

 

山本>

この場所はこう、とか。

 

 

田邊>

そうだったり、行って帰ってきてからデータを解析して

「あ!これはどうなってるんだろう?じゃあ次はこれを調べよう」

という感じで、どんどん出てきて終わりが無い…(笑)

 

 

山本>

際限の無い(笑)

 

 

田邊>

そんな感じですね~(笑)

 

 

山本>

「情熱大陸」(TBS系列で3月22日に放送)では

「これが未来の何に繋がるかは分からないけれど、

そこには探求の醍醐味がある」

というような意味合いのことをおっしゃってましたけど、

まさにそういうことなんですか?

 

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田邊>

「何の役に立つんですか?この研究は」

って聞かれると、そういうのが何もないので

社会には目に見えて何の役にも立たないかもしれません。

ただ、100年後とかそれくらいになったら

もしかしたら役に立ってることに

繋がっているかもしれないし…

 

 

山本>

たどっていくと「Yukiko Tanabe」のこの研究を

100年後の人が知る、みたいな(笑)

 

 

田邊>

そう(笑)。

そこをやったことで研究分野とか学問的に

新しいものが見つかって、

教科書が書き換えられていったりというところには

繋がるんじゃないかと思うんですけど、

決して物質的に

「こういう新しいものができました」とか

「人の命を救えます」とか

そういうものではないです。

単に面白いというだけでやっています(笑)。

でも、それが純粋な学問じゃないかと思うんです。

 

 

山本>

探求心というか好奇心というか。

 

 

田邊>

探求心・好奇心・知的好奇心ですね。

 

 

山本>

研究ってプロセスの連続ですよね。

途中途中で論文を書くというアウトプットはあるんでしょうけど、

その中で一番知的好奇心を満たすというか、

喜びの部分ってどういう所なんですか?

 

 

田邊>

まず、一番分かりやすいのが、現場で目で見て

新しい発見があった時ですね。

なかなかそれはないんですけど。

 

 

山本>

この間の湖の中とかそんな感じですか?

 

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田邊>

まさにそうですね。

そしてその次が帰ってからデータを見て

「あっ!」っていう、

今まで考えていたのと全然違った時とか。

 

 

山本>

見た感じと違う結果が出たりすることも

あるんですね。

 

 

田邊>

で、そこからさらに面白いのが、

「じゃ、それが何で起きているんだろう?」

っていうのをデータに緻密に分析していって分かった時です。

「あっ!そういうことか!すごいぞ!」

っていう3段階があって。

 

 

山本>

それでまた次なる好奇心の種がそこにあるわけですね。

 

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田邊>

そうなんです。

例えば

“それで分かったんだけど、まだこれは仮説段階でしかない。

では、確かめるためにはどうするか?

次に行ったらこれをやることで確かめることができる“

というのをひたすら繰り返していくんです。

 

 

山本>

ネットサーフィンみたいですね、リアルの。

 

 

田邊>

確かにそうかもしれません。

 

 

山本>

スーパーリアルでエクストリームなネットサーフィン(笑)

 

 

田邊>

延々続いていくみたいな(笑)

 

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その2につづく。

次回は何故故に極地を目指すようになったのかに迫ります。

◇田邊優貴子さんのプロフィール◇

http://docue.net/archives/extremer/yukikotanabe

 

 

<公式ページ>

 

http://yukikotanabe-online.webnode.jp/

 

 

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