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ゆうじんのスピード登山シリーズ【北鎌尾根1DAYスピード登山2014/8】その1

14408913_952331008211051_1533176314_nはじめに

ゆうじんと申します。

北アルプス山麓の山岳都市松本にて、山のWEB-TVで発信したりしつつ、

家からほど近い北アを中心とした魅惑の山々に、春夏秋冬引きずりこまれてます(笑)

冬春は軽量山岳スキー×自転車×トレイルランニングシューズ、

夏秋はトレイルランニングシューズ×沢靴×ロープ×自転車など、

MIXした1DAYスピード登山をただいま模索しつつ楽しんでいるところです。

今回ご紹介する槍ヶ岳の北鎌尾根をふくめたこの登山は、一言でいうと、

スカイランニングとクライミング(初級といわれている)とのミクスチュアです。

要するに、一般登山道にくらべて難易度が高く時間を要する、

岩稜のバリエーションルートに、走れるところは走るライト&ファストスタイルを

MIXすることで、通常重荷を背負って1泊や2泊で行くあの北鎌尾根からの槍ヶ岳を、

1DAYでやってしまうということです。

登山をやらない方には、今回は北鎌尾根のバリエーションルート(登山道のないルート)が

メインの山行でもあるので少々取っつきにくいところはあると思います。

それを踏まえたうえで、スカイライニングやトレイルランニングを通して山と出会い、

さらにこれから山を楽しむという方たちへ、すこしでも山のルールやマナーふくめた

アクティビティとして参考になるならと、ご紹介しようという試みです!

 

14408832_952330911544394_1244547497_n(槍ヶ岳山頂1200)

憧れの北鎌尾根からの槍ヶ岳

2012年の夏だっただろうか。

周囲の野営しながら2~3日かけてのいわゆる北鎌尾根山行を聞くにつけ見るにつけ、

「ならば、1DAYソロでいつかチャレンジしてみたい…」と、

思い描いてきた遠からずも近からずといったすこしチャレンジングな登山計画。

周囲に言うと「またまた~」と揶揄され、”1DAY×軽く速く×北鎌尾根”

という珍しい掛け合わせに、非現実感のある計画だと実感した。

しかしながらそんな思いつきからどんどん現実化していくのがとても面白い。

山岳シミュレーションソフトのカシミール3Dに考案したルートを落としてみる。

この登山がいわゆるトレイルランニングなどと違うところは、

バリエーションといって登山道のないルートを、自らのルートファインディングを頼りに

すすむエリアが含まれているところだ。

岩稜帯なので基本的なクライミング技術も必要で、一言でいえば体力だけでは

カバーできない点にある。

ま、そこが魅力ゆえに挑戦したくなるってもの。

 

ルート作成にあたっては、5つのアプローチがまず浮かぶ。

基点は、上高地・新穂高・七倉から湯俣・三股、そして中房である。

まず上高地からの北鎌尾根はすでにネットで記録を確認したのと、

新穂高にならび体力的にハードルはやや低い。

また、湯俣からは体力的には問題ないが、天上沢の渡渉や沢歩きといった

やや専門的な要素が加わる。

残るは二つ。三股からは、もちろん北鎌尾根ではないが、

表銀座からのアプローチで槍ヶ岳へ登り、槍沢から蝶ヶ岳へとつないで

三股へ戻る会心の1DAYラウンドルートをすでにやっていた。

ということで、一部表銀座が往復で重複するが、中房からのラウンドが最有力。

バリエーションは初めてでしかもソロではあったが、

石橋を叩いていくタイプでもあるまいし、と三股と同等の体力的にも

すこしチャレンジングなこのルートに決定したのだ。

ひょっとすると、このルートでの北鎌尾根1DAYは最初なんじゃないか?

という意識がとても大事だった。

こういったものは、コロンブスの卵じゃないけど、すでに同ルートを誰かが

やったという前例があるだけで、精神的なハードルが相当下がるというもの。

なので、ネットでは検索の深追いはしなかった(笑)

余談だが、山行後、同ルートふくめて、さらに長い北鎌尾根もやったという

TJARも完走しているM氏から、激励のメールをいただき友達になった。

彼もソロだ。一人の登山をやる人間としてとても尊敬している。

(つづく)


 

文・写真:田中ゆうじん

 

田中ゆうじん プロフィール

田中ゆうじん(たなかゆうじん)