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アイスクライマーズ・エッセイ 〜八木名恵の氷壁アックスボンバー〜 その1

16231357_1019440218162252_143976233_oアイスクライミングというスポーツをご存知だろうか?

そして、そのアイスクライミングにワールドカップツアーが毎年開催されているということ、日本女子選手がワールドカップツアーに参戦しているという事実。

どうか、知ってほしいと私は筆を執っている。

 

アイスクライミングは、道具を使って壁を登るスポーツだ。

「アイス」=「氷壁」となるだろうが、ワールドカップの試合において全ての課題を氷で構成しているわけではない。とは言えウィンタースポーツであるから、寒い地域で行われる。

 

16196347_1019440268162247_79972801_oそもそも、私がアイスクライミングを始めたきっかけは「結婚」である。

 

大学卒業後、とある企業に就職した。その企業には正社員としての契約とクライマー(氷のない岩壁や人工壁をのぼる、いわゆるクライマー)としての契約の2つの契約を交わしていた。

日中は社員として仕事をし、退社後クライミングの練習をしたり、トレーニングをしたりして試合に臨んでいた。時には合宿もした。クライマーとしてのサラリー査定は毎年行われ、それは競技成績で決まる。

結婚の決断をした当時、旦那は39歳、私は25歳で、しかも旦那は大学院生だった。こうなると家計を担うのは私で、正社員としてのサラリーは勿論のこと、クライマーとしての契約も重要になる。

正直、私は困ってしまった。

そして当時の契約ランクを維持するためにアイスクライミングをはじめた。

アイスクライミングをはじめたきっかけ・・・

動機は不純かもしれない。しかし、クライミングをはじめてプロを意識した若き頃もキャリアを重ねた今でもプレーで表現して愛する人や友人や応援してくれる人をHappyにしたいという気持ちは変わらない。

落ち込んでた人が少しでも元気になってくれたら嬉しい。

こんなクレイジーなヤツがいるんだと、こんな生き方もありじゃないかと思ってもらえたらOKだ。

 

こんなヤンキーな主婦がこの冬、アイスクライミングW杯を全戦転戦するストーリー。

どうかお付き合い頂きたい。

実はアイスクライミングW杯を全戦転戦するのは今回が2度目で、1度目はアメリカ、韓国、スイス、フランス、イタリア、ソチ五輪エキシビジョン、ロシアを約2ヶ月かけて、ほぼ1人っきりで周るタフなツアーだった。

今シーズンは1人っきりではなく、何人かの日本人と一緒にアメリカ、中国、韓国、スイス、イタリア、フランスを約6週間ほどで駆けずり回るタイトなスケジュール。

さて、初戦のアメリカはどんなハプニングが…?

 

その2へつづく

 

(文:八木名恵)


八木名恵プロフィール

プロアイスクライマー八木名恵(やぎなえ)