人間の好奇心はとどまるところを知らず、
21世紀も人々は新たな風景を求めて探検に繰り出す。
パタゴニアの氷河へと分け入るカヤックの水しぶき。
百年前に沈んだエーゲ海の客船の黒い影。
北極圏のぶ厚い雲間から漏れる光…。
Sidetracked Magazineはそんな鮮やかな写真とともに
冒険家や探検家、旅人たちのエクストリームな体験を綴る
ライフ・スタイル・マガジンだ。
ドキュウ!では、リニューアルに合わせて
この美しいビジュアルとピュアなストーリーが織りなす
メッセージを日本で広めるべく、
編集長 John Summerton氏とタッグを組んで
販売をスタートする(順次日本語化を検討します)。
イギリスを拠点とするアドヴェンチャーに特化したライフスタイルマガジンの
編集長 John Summertonに話を聞くことができた。
※SIDETRACKEDのお求めはドキュウ!ストアへ>https://docue.shopselect.net/items/4343062
(聞き手:ドキュウ!編集部|写真提供:Sidetracked |翻訳・文:矢田海里 )
編集部>
どのような経緯で雑誌を始めたのですか?
John>
Sidetrackedは五年ほど前にウェブマガジンとして始まりました。
私はもともとアウトドアに対する情熱は人一倍あり、
アウトドアに関する記事を読むのも大好きでした。
グラフィックデザイナーをしていたので、
そのスキルをアウトドアや冒険を分かち合うことにも活かしたいという思いがあったのです。
それで五年前にウェブサイトを始めたのです。
それから2014年の初頭に紙媒体の雑誌を創刊し、とてもよく売れました。
これまでに7号まで発行しましたが、たくさんの人々の冒険をシェアすることができて、
誇りに思います。
編集部>
ジョンさん自身も冒険が大好きだとのことですが、
具体的にはどんな体験をされてきたのでしょう?
John>
特に目立って冒険家だったというわけではないんです。
でも10代の後半から20代にかけて、バックパックの旅にはたくさん出かけました。
山に登ったりカヤックやSUP(Stand Up Puddle)をやったりして、
アウトドアに親しみを覚え、冒険の共有を始めるようになったのです。
ただ、紙面では私自身のことにはあまり触れていません。
もっと限界に挑んでいるような人々の体験を共有していきたいと思っています。
編集部>
テキストと写真から一貫した世界観、メッセージのようなものを感じます。
どんなポリシーをお持ちですか?
John>
まず大切なのはリサーチをして素晴らしいストーリーを持つ冒険家を見つけてくることです。
そして彼らと話して一つの冒険についての記事を依頼します。
重要なことは冒険全体についてではなく、その一部について書いてもらうということです。
半年に及ぶ冒険そのものを数千文字で表現するのは難しいですからね。
そして違ったテーマ、コンセプト、ロケーションを配置しながら
雑誌のコンセプトとクロスオーバーするように心がけています。
編集部>
素晴らしいですね!
冒険家や記事を選ぶときに何か基準のようなものはありますか?
John>
冒険家たちにはインディペンデントであることを求めています。
何かしら他と違うものを感じさせることが大切です。
ただ、一番は写真ですね。写真のクオリティはとても高いものが求められます。
ですから面白いストーリーを発見したとしても、そこに素晴らしい写真が加わってくるかどうか、
常に気にかけています。
ウェブサイトでも同様の基準を設けています。
編集部>
ビジュアルイメージへの強いこだわりを感じます。
素晴らしい写真の数々は冒険家自身によるものですか?
John>
幾つかのプロジェクトでは、彼らのチームの一員としてフォトグラファーが帯同しています。
最近もスコティッシュ・ロックでSUPをするプロジェクトがありましたが、
そこにも写真家が帯同しました。
そして一緒に活動しながら、雑誌のために写真も撮っていました。
しかしほとんどの場合、写真家もライターも帯同せずに、
完全に一人で冒険に出るというパターンが多いですね。
とはいえ、個人撮影の場合でも本当にクオリティの高い写真を送り込んできますよ。
編集部>
テキストについては、何かトピックを依頼しているのですか?
John>
基本的には彼らの冒険や探検についてです。
こちらが下調べをしたうえで短いリクエストを送りますが、テーマは様々です。
探検中の最も危険だった体験が描かれることもあれば、
旅の途中で体験する感情的な変化や、あるいは現地の人々との出会いが語られることもあります。
そう言った意味ではストーリーがどうあるべきかというルールは特にありません。
彼らがどんな旅をしたか、そしてそこから戻ってきてどうなったか。
それがストーリーの中心になります。
編集部>
非常に共感します。
このようなスタイルのアドベンチャーマガジンはイギリスでは人気があるのでしょうか?
John>
そうですね。
イギリスやヨーロッパではランニング雑誌やアウトドアの雑誌の中には
ライフスタイルにフォーカスした雑誌がいくつもあり、Sidetrackedもその一つです。
分厚くて重くて広告が少ないというスタイルですね。
その中でもSidetrackedは、エクストリームなテーマを扱っているという意味では他と違います。
イギリス、ヨーロッパ以外にも北米、オーストラリア、アジアなどで
読まれるというのは本当に嬉しいことです。
もっと様々な地域で読まれるように頑張っているところです。
編集部>
将来的にはドキュウ!を通して日本の冒険者たちも紹介してもらえるとありがたいです。
John>
そうですね。そうなるといいと思います。
(おわり)
Sidetracked Magazineの最新刊Vol.7はドキュウ!ストアで是非お買い求めください。
(バックナンバーのVol.1はSOLD OUT。VOL.2~6は近日発売開始。新刊のVol.8は10月末発売予定)
ドキュウ!ストア>https://docue.shopselect.net/items/4343062
また、カフェや雑貨、アウトドアストア、ブックショップなど
この本をお店で販売するのに仕入れたい方は、ぜひ“コチラ”からお問い合わせください。
冒険好きな編集長のJohn Summerton氏。グラフィックデザイナーとしての感性を生かし、エクストリームな世界観をビジュアルイメージで伝えている。