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笑顔の花飾り〜その土地だけのレイを編む旅〜 大谷幸生 VOL.1

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新たな、突撃!雑談インタビュー記事のはじまりです。

今回はレイメイカーの大谷幸生さん。

 

その土地でとれた花でレイ(ハワイで有名な花の輪です。念のため)を

編んでその土地の人にプレゼントする。

そこで出会う人たちにレイで笑顔を届ける大谷さんの旅は

まだ始まったばかり。

 

日本の隅々まで、世界の人たちに笑顔を。

 

そんな大谷さんの想いにググッと迫ってみました。

 

(文章・写真=池ノ谷英郎/聞き手=山本喜昭)

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山本>

大谷さん、こんにちは。

お会いしたのはいつでしたっけ?

 

 

大谷>

あれはフブキさん(吉祥寺のWEB会社さん|http://fubuki.com/)の

イベントでした。

 

 

山本>

そうそう。

フブキさんとはおつきあい長いんですか?

 

 

大谷>

えーっと、誰の紹介だったかな。どなたかに紹介していただいて、

ウチのWebサイトを何とかしたいと思っていた時に

紹介していただいたので、だからまだ数年ですね。

 

 

山本>

そうなんですか。

 

 

大谷>

フブキさんは「面白い!」って言ってくれて。

 

 

山本>

面白いです。大谷さんのプロジェクト、興味あります(笑)

 

 

大谷>

そうですか(笑)

 

 

山本>

前回、ストーリーはイベントの現場でおうかがいしたんですけど、

ハワイでレイに出会うまではどんなことをなさっていたんですか?

 

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大谷>

レイを始める前はフラワーアレンジメントで

雑誌とか広告とかで花の作品を提供したり、

フラワーアレンジメントを教えたりしていたんですよ。

 

 

山本>

ワークショップ的な。

 

 

大谷>

そうです。その前、10年近く前に2年間だけお花のお店を始めて、

そこからお花の仕事が始まったんです。

とくかく「お花屋さんになりたい!」と思って、

何も知らないでお花雑誌を見たりして始めたんですけど。

 

 

山本>

へぇ~。なんでお花屋さんになりたかったんですか?

 

 

大谷>

僕、高校時代のアルバイトからずっとガソリンスタンドで

働いていたんですよ。

で、22歳の時に人手がいなくて新しいお店を任されたんです。

たぶんまだバブル経済の最後の方だと思うんですけど。

それでいろんなことを運営していく中で、

よく「ガソリン満タン、スタンプ集めてでティッシュ5個」

とかあるじゃないですか。

 

 

山本>

あー、はいはい!

 

 

大谷>

そういうのが流行っていた時期で、でも新しいお店だし

ちょっと変わったことをしようと思ったんです。

で、女性ドライバー向けの企画を持って行って、

ティッシュじゃなくてもうちょっと夢のあるものをってことで

「じゃあ、お花をプレゼントしよう」ってなったんです。

お花屋さんと打合せしたり仕入れに行ったりで、

お花は嫌いではなかったけど、お花屋さんに行くのが

ちょっと気恥ずかしかったんですね。

 

 

山本>

はいはい、男一人ではね。

 

 

大谷>

僕はもともと外でスポーツとかよりは

家の中で絵を書いたりとか粘土で遊んだりとかが

好きな方だったので…

 

 

山本>

もともと作ることがお好きだったんですね。

 

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大谷>

そうですね。

お花屋さんのおじさんがいて、そこに来ていた女性のお客さんが

誕生日か何かのお祝いのお花を選んでいたんですね。

くわえタバコのおじさんがお花を束ねて

「こんなんでどう?」

って言って、その女性が

「まあ、ステキ!ありがとうございます」

って言ってお金を払っていく。

自分で好きに作ったものをお客さんがお金を払って買っていくって、

モノを作る立場からしたらすごいステキなことだなって。

さらにお花ってお金をもらったうえにお客さんに

「ありがとうございます」

って言ってもらえて、そのお客さんは喜んでお花を持って帰る。

で、それを誰かにプレゼントする。

で、もらった人はうれしくなってあげた人もうれしい。

それがすごくいいな~って。

 

 

山本>

それを見た家族がまた「きれいね~」って言ったりとかね。

 

 

大谷>

そうなんです。

それから、その頃僕は任されたガソリンスタンドで

雇いたてのアルバイトが車をぶつけたとか

ガソリンのキャップを締め忘れたとかで始末書を書いたり、

バイトに「茶色い髪はやめましょう」とか言っていたりとか、

そういうことばかりやっていたので、

「これよりはお花の仕事の方がいいんじゃないかな」

って思うようになって、お店がオープンして

3か月経つか経たないかくらいで

「スミマセン、辞めさせてください」

って(笑)

社会人的にあるまじき、今となっては本当バカだなぁ~って思うけど、

22歳くらいの若い頃だと分からないんですよね。

 

 

山本>

はいはい(笑)

 

 

大谷>

「僕には夢がある!」

みたいな感じで強行的に辞めさせてもらったんですけど、

次の日、ふと考えたんです。

「辞めたはいいけど、お花屋さんになるには

どういう道があるんだろう?」

って、何も調べずに辞めちゃってて(笑)

 

 

山本>

「なるぞ!」だけで辞めちゃったんですね(笑)

 

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大谷>

そうそう!勢いだけで生きてるっていう(笑)

それから2年くらいいろんなアルバイトを転々とするんです。

ガソリンスタンドのバイトには

「ピアスやめなさい、髪は黒くしなさい」

とか言っていたんですけど、自分だってその昔は

そんな感じだったんですけどね(笑)

で、なんかこのままおじさんになっちゃうのも嫌だなと思って、

ガソリンスタンドを辞めた途端に髪を剃ってみたんです。

 

 

山本>

それまでは違うヘアースタイルだったんですね?

 

 

大谷>

普通に小ざっぱりとした髪型だったんですよ。

でもR&Bとか好きで剃ってみたんですけど、

その頃スキンヘッドだとバイトもなかなか見つからず(苦笑)

 

 

山本>

スキンヘッドだと(笑)

今は割と多いですけどね。

 

 

大谷>

お金が無くなっちゃったんで弁当屋さんの「パート・アルバイト募集」に

飛び込んだらOKが出たんですよ。

「お花屋さんになりたい!」

って啖呵切って辞めた手前、なるべく人に見つからないように

したかったんで、昼間はそこで働いて

夜はホテルの掃除のバイトとかやったり。

で、弁当屋さんを辞めた後は宅配便の仕事をしたり、

高速道路の建設資材を作る仕事をしたり…。

そんな中、お花屋さんで半年だけバイトが出来たんです。

もう夢かなったわけですよ。

「ここで修業していつかのれん分けだ」って(笑)

 

 

山本>

なるほど(笑)

 

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大谷>

でも、やっていくうちに、お花屋さんにもいろんな業態があって、

自分がやりたいのはこういうお花屋さんじゃないんだよなって

思い始めたんです。

そのお店は店頭販売もするんだけど、

大量に安い花を仕入れてスーパーの店先で売ったりしているのを

作ることが多かったんです。

僕は機械とかでそういうのを作ったりお店に運んだりで、

店頭に出る機会が無かったんですね。

で、なんとなく「これじゃないんだよねぇ…」

って気が付いちゃったんですね(笑)

お花屋さんは半年で辞めて、どうしよう?と思った時に、

地元の駅前でおばあちゃんが1人でやってるお花屋さんがあって、

そこでは雇ってはもらえないんだけど

仕事帰りによく立ち寄っておばあちゃんに相談したら、

「自分でやった方がいいんじゃないか?」

って言われたんです。

 

 

山本>

なるほど、どこかに雇われるんじゃなくて、ってことですね。

 

 

大谷>

その頃24~25歳くらいでしたから

30歳になる前に始めようと思ったんですけど、

僕は極貧でしたから新聞屋さんで求人広告をもらってきて

それをパッと開いてその中で一番高いバイトに決めたんですね。

それが高速道路の資材を作る仕事だったんですけど、

それでお金がたまってお店を始められるくらいになったんですね。

で、最初の頃は

「こういう場所を借りて、看板はこんな感じで、

内装はこんな感じで…」

とか考えていたんだけど、おばあちゃんに

「そんなことより、お水とバケツさえあればお花屋さんは出来るから、

やりなさい」

って言われたんです。

100万円くらい持ってお店の契約に行ったら、

保証金とか僕知らなくて、家賃10万円くらいのところで

保証金を払ったら手元に3万円くらいしか残らない。

内装費も何もないんですよ。

 

 

山本>

ほう、場所だけ手に入れたんですね。

 

 

大谷>

そうです。

「とにかく借りたんなら家賃が発生しているんだから

1日でも早くやりなさい」

って言われて、最初、1万3千円分だけお花を買ったんですね。

車もないから友達に借りて、お店をオープンした初日、

看板も無くてドアも無い駐車場みたいなところで、

売ってみたら3千円しか売れなかったんです。

お花の市場って1日おきにあるので、

次の日までに仕入金額を上回る売り上げが無いといけない。

でも、お花はどんどん咲いていっちゃうし、

次の日9千円以上売れなかったら

お金はどんどん減っていっちゃうんですよ。

1万数千円しか手元になくて、

このままいったら今月の家賃が払えない。

ということは、今日オープンしたけどすでに

閉店が決定しているわけなんです。

 

 

山本>

オープン日に(笑)

 

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大谷>

ゾッとしたんですよ(笑)

閉店までのカウントダウンが始まっているんです。

夢のある若者なのに、お金が無いという理由だけで

世の中は俺を抹殺するのか!って(笑)

日本の世の中って残酷だなぁ~って。

ヨーロッパなら志や技術さえあれば育ててくれるという制度もあるのに。

で、これじゃいけないって、ちょうど母の日が近い頃にオープンしたので、

雑誌とかのカーネーションのステキなやつが載っているやつを、

さも自分がやったかのように広げておいて

「ご注文承ります」って感じで先にお金を集めて何とかなったんです。

でもね、1年間は車で寝てましたね。家が借りられなくて。

 

 

山本>

あ、そっか。店を借りるのが精いっぱいで住みかは無かったんですね。

 

 

大谷>

そうです。夜中の12時までお店を開けて、

閉めてからから市場まで行って車の中で寝る、

みたいな生活でしたね。

 

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第一回の雑談はここまで。

今の活動にいたるまでの波瀾万丈な展開は次回に続きます。

お楽しみに!

 

大谷幸生プロフィール

http://docue.net/archives/extremer/otani_yukio

 

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