新潟県は妙高で開催される距離55km、累積標高2,000m、途中18の山間集落を駆け抜けるウルトラマラソン大会、MURA18 (Myoko Ultra Run rAce 18) 。
2回目となる今回の大会運営のチームメンバーのセルフインタビュー企画の第二回は、本企画がスタートするきっかけとなった方、事務局長の石崎琢磨さんの登場です。
では、どうぞ。
(インタビュアー:垣迫昂志 / 記録:中村拓海)
垣迫
ではまず石崎さんが妙高に来たきっかけから聞きたいと思います
石崎
妙高に来たきっかけはi-nac(国際自然環境アウトドア専門学校)があったからですね。社会人入学で妙高に引っ越してきました。
垣迫
入学前は何をされていましたか?
入学前は9年間自衛官をやっていました。そのまま自衛官としてライフワークを続けるっていうのも一つの選択肢としてあったんだけど、もっと普段から人と自然に接しながら何かしてみたいなっていう漠然とした想いがずっとありました。
当初、趣味として続けられると思っていたので、子どもの自然教室のボランティアをやったり、僕自身も小学校のころからボーイスカウトをやっていたので、地元の指導者をしながら自然に関わっていました。
それがいつからか、それ自体をライフワークにすることでまた別の世界観が開けるのではないかなという風に思うようになったんだよね。そんな心境に至って、転職か進学が迷っていたところに、WEBの検索でi-nacが引っかかって最終的にそこに落ち着きました。
垣迫
なぜi-nac?
石崎
i-nacに入った直接のきっかけは手っ取り早いかなと思ったんだよね。アウトドアの業界を僕は全く知らなかったし、仕事をしていく上で人との繋がりは非常に大事なものなので、そこを広げるっていう意味でも。
他にもいろいろやり方はあったと思うけどi-nacに入って学問的に業界の体系的部分も学べるかなと思ったんで入学した。
だから妙高に来たくて来たというよりはi-nacが妙高にあったから妙高に来た、という感じですね。
実は妙高って言葉はここに来るまで知らなかったっていうぐらいで(笑)。でも来たらすごくいいところだし、今は逆にここで仕事をしたいなっていう風に思っている感じですね。
垣迫
妙高に住んでみて、自分の中のおすすめ、魅力を一つ。
石崎
いやー難しいね(笑)
魅力・・・やっぱり毎日妙高山をおがめるとこだね。それにつきる。逆に地元の人はね何がそんな面白いんだっていう人もいるんだけど、まぁたぶん生まれた時からずっと見てるからそういう風になってくのかな。毎朝通学する時に晴れてれば、妙高山が目の前にバッと見えて四季の移り変わりがはっきり感じられる。冬は空とのコントラストがとても綺麗で、それが雪が溶けて春が来て、夏の間はドーンと目の前に立っていて、また冬が来ると雪が積もって・・・
そういうサイクルが間近に見られるから、景色がやはり一番の宝じゃないかな。都会育ちだからなおさらそう思うんでしょうけどね。
そしてMURA18の魅力も妙高山。きつい登りを登り切った先にちょっと振り返ると妙高山が見えるポイントがいくつもあるんでそこをぜひMURA18でも押したいな。
垣迫
ではそのMURA18への意気込みを。
石崎
去年から引き続き関わらせて貰ってるんだけど、去年の意気込みとはちょっと違うかな。
第一回目は単純に地域を盛り上げたい、という使命感みたいなそういう気持ちがあって、いわゆるボランティア精神でがんばってました。
でも、今年はそこから視点を変えてビジネスとしてのMURA18が自分の中でキーポイントになってる。まぁ想いは去年と変わらないんだけど、今度はお金をもらえる仕組み、稼げる仕組みにブラッシュアップしていかないといけない。やりたい気持ちがどんなにあっても続けられなくなるっていう危機感があるんだよね。
今年は卒業年次というのもあって、自分自身がどのように、妙高、上越地域で生きていくか、そのためにどういう風にお金を稼げばいいのかというのがコンセプトになっている。
一つのコンテンツ、一つのツールとしてのMURA18は、僕自身が労力を提供する代わりに対価をいただいて生きていくというサイクルになっていって欲しい。
だから、ビジネスとしてのMURA18を築いていくことが今年の意気込みかな
垣迫
どのくらい儲けが出ればビジネスとして自分の中で成功といえますか?
石崎
そこを今勉強しているんだけど(笑)純利益が三割ストックないと次に繋がらないのいうのがある。これは田辺先生(i-nac)の受け売り(笑)
僕や諸岡くん(大会実行委員長)が今後のつづけていくならそこから対価として頂きたいし、逆にそういうことができていかないとね。完全なボランティアだけだったら、ずっとこのi-nacっていう中でしか回せなくなっちゃって、それは多分、地域貢献とはまたずれてくるのかな。こういうことをやってれば地域でも生きていけるよっていうビジネスモデルを作っていかないと、いけない。
僕とか諸岡君みたいに定住したいって思っている人はたくさんいると思うんだけど、仕事がないから定住につながらない。地元の人でも仕事がないから都心に出ていく人がいる。何とかそこをアウトドアというジャンルで新しいビジネスモデルをしっかり作り上げていきたい。そして住みたい人がいたら住んでもらって、お金もそこそこもらえて生きていけるっていうのができればいいなって思ってます。
垣迫
事務局長としてこれだけはやっていかなければと思っていることはありますか?
石崎
事務局長としてやらなくちゃいけないことはいっぱいあるんだろうけど、分かっていないです、正直(笑)
連絡とか情報発信は事務局がうまくやっていかなきゃいけないと思っています。実行委員は実働部隊だからそこにエネルギーを注いでほしい。それ以外のサポート、それは連絡だったり、外に対する情報発信だったり、そういう所をやっていきたいなって思ってます。
できてるかどうかはまた終わってから評価してもらって、次につなげられたらなと思います。
垣迫
石崎さんが考えている外部への情報発信とは?
石崎
ランナー以外の走らない人にも多く知ってもらいたいってのがあるよね。山間集落を旅しながら走るってのはなかなかないから、こんなに楽しいことを僕たちはやっているんですよってぜひ遊びに来ませんか?そういう情報発信をぜ是非したい。
垣迫
走って旅するMURA18を、ランナーではない人達がランナーと同じように楽しむ為に何か考えていることはありますか?
石崎
これはまだ計画の段階だからもしかしたら今年はやらないかもしれないけどブースを出したいんです。スタートゴール会場で。
南部の食べ物や文化を発信できるようなブース。そういうことができたら普通に応援に来て遊びに来た人たちも楽しめるし、今回できなくても3回4回続いていく中でオプションとして加えていけたらいいなと思っています。
垣迫
ありがとうございました。MURA18も定住もがんばって進めてください。
石崎
はい、一緒にね(笑)盛り上げていきましょう。ありがとうございました。
<MURAレポ>
妙高は、入梅したものの、雨はあまり多くなく、気温も例年よりは低いようです。夜は涼しく、布団をしっかり掛けていないと風邪を引きそうです。
さて、新緑の時期はあっという間に過ぎ、もう1年の半分が終わろうとしています。
この間に学校では2週間の実習期間があり、実行委員は学業に追われ、ほとんど動けませんでした。
卒業生で実行委員長の諸岡君が、仕事の合間にチラシを配ったり、ポスターデザインの手配をしてくれました。今回のポスターは二年前の卒業生がデザインを引き受けてくれました。とてもいい仕上がりで実行委員も満足の出来です。
実習が終了してからは、実行委員も総動員で、市内外の小中学校にチラシを配布に奔走しています。
55kmのコースは6/3の時点で開通が確認され、下見はいつでも出来る状態になりました。近く試走も予定しています。
これからの季節は、マラソン・トレランのシーズン。実行委員はほとんどが信越五岳トレイルランニングレースにも選手・スタッフで関わっています。掛け持ちで忙しいですが、MURA18も他の大会に負けないぐらい充実した内容につくり上げていきます!
<MURA18ホームページ>
http://inacmura18.wixsite.com/mura18
フェイスブックでの情報発信は逐次おこなっていますので、情報チェックはまずはFBで!
https://www.facebook.com/mura18.myoko/
<エントリーはこちら>
http://runnet.jp/entry/runtes/user/pc/competitionDetailAction.do?raceId=157233&div=1
<語り手プロフィール>
石崎琢磨 34歳
東京都世田谷区出身
陸上自衛隊に9年勤務
人と自然に触れていたい、そんな思いで新しい世界に飛び込みました。
大好きな妙高に定住するべく日々奮闘中!
(その3へつづく)
山村を走って旅するウルトラマラソンMURA18 〜実行委員会セルフインタビュー〜その1