category: |

LAND ESCAPES 〜GOTO AKIの地球の表情を見つめる目〜 第四回

10428965_693645777357498_948464666_n

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真:「LAND ESCAPES」より ©GOTO AKI)

フォトグラファーGOTO AKI さんとの

突撃!雑談インタビュー。

四回目の今回はいよいよ最終回です。

 

 

LAND ESCAPES シリーズのコンセプトや旅についてを

多いに語っていただきました!

 

(文章・写真=池ノ谷英郎/聞き手=山本喜昭)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

山本>

旅と作品の関係性というと、どうとらえてますか。

昔バックパックするときは旅しに旅するって感じじゃないですか。

今は違いますよね。

 

 

GOTO>

面白い質問ですね。今は写真が優位に立っていますね。

今、何に憧れるかっていうと、手ぶらで旅をしたい(笑)

 

 

山本>

(笑)

 

 

GOTO>

以前、荷物をすごく減らして行った時があって…

 

 

山本>

それは仕事の時ですか?

 

 

GOTO>

家族で旅行に行くときに、子供のオムツとかをスーツケースに入れたりするんで

カメラとかは若干減らしていくんですけど、

「あー、やっぱりいつものセットが欲しいなぁ〜」って思うわけです。

 

 

山本>

目はいつものセットですからね(笑)

 

docue_08-0061

GOTO>

そうそう、体の中にレンズが入っちゃってるので(笑)。

「あー、今日は無いんだっけ」って。

 

 

山本>

圧倒的にカメラが優位になっていますね。

 

 

GOTO>

旅と写真の関係性で言うと、今は写真を撮りに行くのが

圧倒的に多くて9割10割近いんですね。

ふと海を見たくなって旅に出た、みたいな

傷心旅行とかも当然無いわけですよ(笑)。

 

 

山本>

今、旅行とは違った旅、目的のある旅って結構多いんですよね。

旅行業界自体もいわゆるただのツアーではなく、というのが多いし、

旅する人たちにも目的をもって旅に行く人が増えているみたいです。

 

 

GOTO>

受動の中にも能動の要素をちょっと入れてあげれば

参加する人も楽しいでしょうからね。

撮影ツアーみたいのもありますけど、あれこそアマチュアの方にとっては

能動以外の何者でもなくて、一昨日行ったニセコで僕は一人で回っていたんですけど、

そこは有名な撮影ポイントでもう謝りたくなるぐらいアマチュアの方々で

あふれていたんです。

三脚使っていると車の振動って結構影響を受けるから

すんごくゆっくり走ったり、

「僕にも撮らせてください」

って頭ペコペコさせながら撮ったり(苦笑)

 

 

山本>

GOTOさんのは、いわゆる観光地でいろんな人たちが撮るポイントを視点を変えて撮る、

というスタイルなんですよね?

 

 

GOTO>

写真家の中には人が行ったことが無い場所で撮りたいって人もいますが、

僕は逆で誰でも行ける場所で撮りたいと思っています。

観光地の名前で切り取るんじゃなくて地球の表情だって話しましたけど、

たとえば阿蘇山って一大観光地ですよね。

でもそこに行くと強烈な火山があって今も噴火していて、

地球の表情以外何者でもない場所があるわけです。

そこを観光地だというだけで撮らないというのは

それこそ言葉で処理してしまうというか、

「心はどこにあるの?」って感じがするわけです。

たとえばヒマラヤの方に行く究極の冒険家の方とか山岳写真家の方とか、

日本で言うと冬の間ずっと北アルプスに籠っていらっしゃる方も

ある意味ハイエンドなプロフェッショナルとしているわけですけど、

僕はその人たちには体力も山岳の知識もかなわないと思っていて、

むしろ彼らの撮った写真を素直に見せていただきたいと思う立場ですね。

僕が今やっている「LANDSCAPE」というのはむしろ誰でも車で行けたり

飛行機で行けたり登山といっても朝早く行けば夕方には帰って来られるような

山であったり、エクストリームまでは行かないところが

僕の今の撮影フィールドになっていて、

じゃ、撮影フィールドがそうだからって写真がどうかというと、

エクストリームな人たちに引けをとらない

別のものが撮れるわけなんですね。

それはやはり視点であったりアンテナであったり

どこを見ているかというところで、

体の中のレンズで地球の表情を目の前で見ているというのがあるので、

たぶん横にいる人と見えている風景が圧倒的に違うんだと思うんです。

色にしろ形にしろ。

健常者であれば2つの目で見ているんですけど、

僕は1つ目で見ているところがあって、

ひとつは目でもうひとつはレンズの目という感じで。

 

 

山本>

それはいわゆるプロのカメラマンであれば少なからずあると思うんですけど、

そういうこと聞かれたことあります?

 

docue_08-0087

GOTO>

どうなんですかね。そこまで常に意識しているかは分かりませんが、

女性を撮っている方なら常にロケハン意識で見ているという方はいますし、

それぞれ得意としているものによって見方は違うのかもしれませんね。

何らかの形で皆さん探していると思いますけどね。

両目で人の心だけで見ると出来上がった写真って

観光写真みたいになっちゃうんですよ。

家族旅行とかで何も注意しないと。

プロ野球選手でもプロサッカー選手でも「ちょっと調子悪い」

って言い方するじゃないですか。

そういう時って並以下のプレーになっちゃうんですよね。

写真も整えた状態で行くのと油断した状態で行くのとではぜんぜん違うんです。

一人で回ってるとSF映画みたいに視界の中で

いろんなものをサーチしている感じになっていて、

いろいろ引っ掛かるわけですよ。ぜんぜんナチュラルじゃないですけど(笑)

 

 

山本>

ナチュラルなものを見ながらナチュラルじゃない(笑)

 

 

GOTO>

僕は両方必要だと思っていますけど(笑)

サーチしているときに引っ掛かるわけですよ。

 

 

山本>

サーチして見ている瞬間にも景色って刻一刻と変わっていくわけですよね。

その瞬間を捉えるってすごいことですよね。

 

 

GOTO>

すごいことですよね。

人間ってやっぱり自分中心に考えるから、

地球が猛烈な勢いで回転してたり移動してたりっていう

意識はあまり無いんですけど、

地球を含めて太陽系の惑星ってあっという間に

何億キロとか移動しているわけですよね。

太陽が沈むのって早いなって思うけど、

ああいうのって宇宙の法則で言うと必然というか

そのくらいの速さで動いているところに適応した体で生きているんだよ、

昼と夜という強烈なコントラストの星に僕らは生きているんだよ、って。

コントラストの高い写真って人の心を引き付けやすいんですよ。

僕らはそういう星で暮らしているから。

フラットな眠い写真に中に美を見つけることは出来るけど、

一般の人にパッと写真を見せたときに反応がいいのは

やっぱりコントラストの高い写真なんです。

昼夜のコントラストの強いところで生きている僕らからすると

当たり前のことなんです。

 

 

山本>

美意識の中に本質的にコントラストの強さが入っているわけですね。

 

 

GOTO>

この惑星に生きていることがそれを支えていると感じたりもしますけどね。

一般によく使われるコンパクトデジカメって、

もちろんデジタル一眼レフの方がディテールは撮れるんですけど、

パッと見の印象ではコンデジの方がコントラストがバキッとした写真が

撮れるようになっていてるんですね。

それは今僕が言ったようなことが関連しているんじゃないかと思うんです。

 

 

山本>

なるほど。バキッとした、ね。

 

 

GOTO>

よくきれいな男性女性をほめるときに

「目鼻立ちがはっきりしてますね」とかそういう表現しますよね。

 

 

山本>

「寝ぼけてますね」とは絶対言わないですもんね(笑)

 

 

GOTO>

あれも関係あるって僕は本気で考えているんですよね。

 

 

山本>

性格もそうですもんね。はっきりしているのがいいとされますからね。

 

 

GOTO>

以前、Facebookで僕もシェアしたんですけど、太陽系が実は螺旋を描いて宇宙空間を

さまよっているっていう映像があるんですけど。

 

 

山本>

えー、知らないです。

 

 

GOTO>

見ます?数分で用意できますので…。

 

〜宇宙の映像タイム〜

 

 

山本>

こういう映像を見るとそういう宇宙感って変わってきましたか?

 

docue_08-0104

GOTO>

たとえばどこかを見ていたりするときに、

目の前の風景を見ているんだけど

すごい遠いところからも俯瞰した目線で同時に見る感じですかね。

なんでそんなことをわざわざやるかというと、

今、ここにいると東京・福岡・札幌って遠いなって思っちゃうんですけど、

これを遠くからの視点で見るとここの距離なんてゼロに等しいわけですよね。

だから引いたときの視点で見ると

「ここは東京だ、阿蘇だ」

とかそういう言葉は僕の中から消えていて、

拡大した地球の表情の一部だというところにストーンと落ちるわけです。

 

 

山本>

それは意図的にそういう風に見るんですか。

 

 

GOTO>

最初はそれを言語化できなくて、なんで僕が撮った写真は

こうなってキヤノンの人が面白いって言ってくれるのかも分からなくて。

考えてからじゃなくて行動から先に行ってたので、

言語化するのにすごい苦労したんですね。

やっているうちに何年か経って、今でこそ最初に理論を考えてやったかのように

言ってますけど、これは後から来たものですから。

さっき見ていただいたような宇宙の動画とかも日常の中で情報として入ってきて、

それはヒントとして自分を支えてくれるものだって思えてくるんですね。

口だけで地球だ地球だって言っているんじゃなくて、

僕は遠くからそれを見ている視点を持っているんじゃないかなって思うんです。

口だけじゃなくて経験がそれを支えてくれる、

点と点がいつか線になるって感じで。

スティーブ・ジョブスが言ってましたけど、

アップルコンピュータは成功に向かって論理立てていたわけじゃなくて、

遊びの中で彼らが思いつきでやっていたことを結集していった

ってことがありました。

そういうことなのかなって思っています。

いろいろとりあえず撮ったり見たりしたものが後でつながったり。

その結晶が写真集だったり個展だったりするんだと思いますけど。

自分が風景やるって確信を持ったとき、

2005〜2006年くらいにそれまでに撮った

10年分のネガとかデジタルデータを全部見たんですね。

セレクトしたのではなくて、ただ見たんですけど、

空とか海が写っている写真がものすごく多いんですよ。

それ、たぶん無意識になにかしらの興味を持って撮っていたんでしょうけど、

自覚してないでそこに記録されていたんです。

で、それを自覚的にやろうって意識したのが2005〜2006年頃なんです。

こういうのでやっていくのが自分も楽しいし

人にも喜んでもらえたりというところなのかなって。

多少もやもやしているから撮るわけですが、

そうするといろんな情報が入ってきてそれを支えてくれて、

今ここに不惑の42歳としての僕がいるのかなって(笑)

 

 

山本>

一つ一つのプロセスが集約して今があるというのが

まざまざと表れていてすごく興味深いですね。

 

 

GOTO>

だいたいそういう感じですよね。

 

 

山本>

ぜひ、そういう「GOTO AKI列伝」を書いてください(笑)

 

 

GOTO>

これが10数年続いて形になったときに

やっとはっきり言えるかなって思えますね。

急に猫の写真とか撮ってたら言ってくださいね(笑)

 

 

山本>

「こらっ!」って?(笑)

 

 

GOTO>

ま、ネコの写真はそれは専門の方にお任せするとして(笑)

 

 

山本>

次の展覧会はいつ頃ありますか?

 

 

GOTO>

展覧会は来年(2015年)1月から4月くらいにかけて全国6箇所の

キヤノンギャラリーで開催することが決まっています。

明日から行く九州の撮影が2015年のキヤノンの

カレンダーの撮影の最終回で、

明日まで撮った写真で1年分を組んでカレンダーになります。

カレンダーは九州だけの写真なんですけど、

キヤノンの品川の2Fでカレンダーの写真展があって、

銀座や大阪でやる写真展では九州以外の写真も出せると思うので、

国内のいろんな場所の写真を出していきたいと思います。

 

 

山本>

展覧会のタイミングで本も作るんですね。

 

 

GOTO>

本も作ります。本はこれから紙選びから始まります。

やばいですね、もう5月ですね(苦笑)

 

 

山本>

一冊目のカバーはトランクでしたよね?

 

 

GOTO>

トランクです。

僕が普段使っているスーツケースの裏と表を複写して、

ちょっとデフォルメをして使っています。

で、スーツケースを開くのと同じように写真集も開くようになっています。

 

 

山本>

「FRAGILE」のステッカーも貼ってありますね。

 

 

GOTO>

そうですね、スーツケースですから「FRAGILE」も必要かなって。

縦開きの写真集ってあまりありませんけど、

自分でやりたいものは自分で出すしかないかなって思っています。

 

 

山本>

装丁は次回もこれで?

 

docue_08-0110

GOTO>

まだこれからですけど、どういう見せ方にしようかなって考えています。

とにかく年末の大掃除で捨てられないようにしたいですね(笑)

 

 

山本>

本棚で勝ち残る本ってありますよね(笑)

 

 

GOTO>

意図を持って作る写真集なので、本棚で大事にされるものを作りたいなと思います。

 

 

山本>

楽しみにしています。

 

 

GOTO>

ご案内させていただきます。

 

 

山本>

展覧会も楽しみにしています。ありがとうございました。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

終わり。

GOTOさんとは、エクストリーマーの取材お仕事でご一緒して以来

仕事に対する考え方、経済のこと、作品に対する姿勢など

すごくシゲキを受けています。

今後のGOTOさんの活動にぜひご注目ください。

 

 

これまでの記事はコチラ↓↓↓

LAND ESCAPES 〜GOTO AKIの地球の表情を見つめる目〜 第一回

LAND ESCAPES 〜GOTO AKIの地球の表情を見つめる目〜 第二回

LAND ESCAPES 〜GOTO AKIの地球の表情を見つめる目〜 第三回

 

 

 

スクリーンショット 2014-06-10 0.49.53

GOTOさんの写真集「LAND ESCAPES」は以下で買えるますので、ぜひ手に取ってみてください。

○AMAZON

http://www.amazon.co.jp/LAND-ESCAPES-GOTO-AKI/dp/4906757006/ref=sr_1_5?ie=UTF8&qid=1402280477&sr=8-5&keywords=GOTO+AKI

 

○写真美術館の1Fナディッフバイテン

http://www.nadiff.com/shopinfo/shoplist/x10.html

 

 

LAND ESCAPES - FACE -

LAND ESCAPES – FACE –

最新作「LAND ESCAPES – FACE」はコチラからご購入いただけます。

http://www.amazon.co.jp/LAND-ESCAPES-FACE-GOTO-AKI/dp/4906757014/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1421772390&sr=8-1&keywords=LAND+ESCAPES+-+FACE+-

 

 

 

<GOTO AKIさんのプロフィール>

1972年神奈川県生まれ。

上智大学・東京綜合写真専門学校卒。

1993年の世界一周の旅から現在まで53カ国を巡る。

写真集「LAND ESCAPES」(traviaggio publishing)が東京都写真美術館、Amazonなどで販売中。

2015年版キヤノンカレンダーと新作写真集「LAND ESCAPES – FACE」を制作。

2015年初より全国のキヤノンギャラリーにて個展開催。

http://gotoaki.com

 

GOTOさんへの応援やメッセージはこちらにどうぞ。

 info@cael-utd.com

スポーツ冒険マガジン・ド級! 編集部宛

いただいたメッセージは大切に読ませていただきます。

おもしろいメッセージはサイト内でご紹介いたします!