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LAND ESCAPES 〜GOTO AKIの地球の表情を見つめる目〜 第一回

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(写真:「LAND ESCAPES」より ©GOTO AKI)

 

雑談の中に真実が宿るというコンセプトの突撃!雑談インタビュー。

今回のゲストは独自の視点で風景を切り取る旅する写真家・GOTO AKIさん。

風景写真には特に興味が無かった聞き手の山本が衝撃を受けたGOTOさんの写真の魅力とは?

また、その写真はどのようにして生み出されるのか?

第一回目は、GOTOさんの中の風景写真の在り方についてググッと語っていただきました。

 

(文章・写真=池ノ谷英郎/聞き手=山本喜昭)

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山本>

ド級!では、スポーツ・冒険・旅などに夢中になっている人や、

自分の知力・体力・技術を総動員しチャレンジしている人たちの想いを

伝えたいということでお話を伺っています。

 

 

GOTO>

サイトを見せてもらうとすごい冒険家とかアスリートの方が多いですよね。

写真家もその拡大解釈の中に入っていいのかなって。

旅や「LAND ESCAPES」(GOTOさんのプロジェクト)をやっていて、

僕も山に行くときには体のコンディションをすごく気にしたり

日常的にストレッチしたりします。

僕がアスリートの方をすごく好きなのは

話を聞いていて共感できるからなんですね。

すごくリアル。

飛び抜けた人たちって感じで、それから学ぶことも多いです。

栗城(史多)さんの時もそうでしたし。

 

 

山本>

たぶん、みなさんそれぞれ飛び抜けるポイントが違うんでしょうね。

 

 

GOTO>

みなさんいろんなアンテナを持っていて、

カヌーで突き抜ける人もいれば山で突き抜ける人いたりして。

僕はたまたまそれが写真。

活動するフィールドは山で変わらなかったりするんですけどね。

ド級!のラインナップを見て

「あー、面白いな」って思ったんですけど、

写真家がここにいてもいいんですね。

 

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山本>

「旅する写真家」ってことで今回お声かけしました。

今、話出ましたけど、GOTOさんとは登山家の栗城さんのお仕事で

初めてお会いしたんですよね。4〜5年前ですか?

 

 

GOTO>

そのくらい?

でももう4年も経つんですね。

 

 

山本>

栗城さんへのインタビューでしたよね。

 

 

GOTO>

栗城さんのお名前は当時たまたま見たテレビ番組で拝見して、

登山家でああやってテレビの前で泣いている人って

初めて見てそれで心を奪われたんです。

そしたら栗城さんを撮影する仕事のお話があったので、

これは実益を兼ねている(笑)

と思って飛び込んだんですけど、そこに山本さんがいらっしゃった。

そういうことですよね。

 

 

山本>

そうですね。

数年後、この「LAND ESCAPES」というGOTOさんご自身の

作品の展覧会のご案内をいただいて、

会場に伺って僕はとっても衝撃を受けたんですよ。

今まで正直、写真集とかで風景の写真を見ても

「あー、きれいだな」

と思うくらいで興味はなかったんですね。

僕自身は人物の写真が好きだったので。

でも、この「LAND ESCAPES」のシリーズを見た時は

ググッと来たわけですよ。

 

 

GOTO>

ありがとうございます!

何回聞いても気持ちいいリアクションです(笑)

 

 

山本>

なんで?

と言われても理由は言葉にはできないグッとくる感じ。

力がある。

 

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GOTO>

よく「風景を撮ってます」っていうと、

人が嫌いなんですか?とか人は撮らないんですか?

とか言われるんですけど(笑)、

仕事でフォトグラファーとして行くときは

半分くらいは人物を撮る仕事ですね。

「LAND ESCAPES」を撮りに行く時もこれ(風景)だけ撮っているわけではなく、

当然食べた料理を撮ったり出会った人を撮ったりもするんですけど、

たまたまお見せするのが風景で。

それは見せる時になんでもありになっていると見る人が混乱するし、

そこは自分の意志として見せていないだけです。

人と話すのはすごく好きだし、道の駅でおばちゃんつかまえて

「どっかきれいなところない?」

って聞いたり、そういうことはよくやっています(笑)

風景って人と離れたものと捉えている人が多いんですけど、

実は表裏一体の関係なんですね。

この写真集に関しては世界と日本の写真ですけど、

俯瞰してみた時にこれは地球の表情だと思っているんです。

僕らは人と会うと、例えば

「おじいちゃんのしわが味があっていいね」

とか

「中年のおじさんだってカッコいい人は味があるよね」

とかいう言い方しますよね。

若さだけじゃないところに魅力を求めた時に

それはしわだったりするんです。

人の顔って目にはちょっと水分があって、

洞窟のような鼻の穴があって、

山のような鼻があって、口があって、

といろんな表情があるわけですけど、

山本さんも僕も皆さんそれぞれどんなディテールをとってみても

違うわけですよね。

風景を見る時もすぐ言葉に置き換えないで、

池があって山があって空があって地球の中の一部であって、

地球の顔の一部だと思って見ているんですね。

だからそこには人の痕跡とかが風景の裏として

写っているんじゃないかと思っています。

ここには例えば海のさざ波とか、ギザギザした山肌とか写っているんですけど、

それも人に例えたら目の水分だったり肌のしわだったり

そういう部分であると思うので、人とかけ離れているかというより

むしろ密接しているところで風景を撮っている、

という意識でまとめています。

 

 

山本>

なるほど。

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GOTO>

アラスカで亡くなった星野道夫さんは信じていたクマに襲われて

生涯を終えた方ですが、彼の文書の中で

「アラスカのきれいな写真だけを撮っているわけではなく、

人の写っていない風景に深みを与えるのは

人とのコミュニケーションである。

そういうことも無しに撮った写真もたしかにキレイかも知れないけど、

それは根の張っていない写真である。

通り過ぎるだけの映画のような一過性のものになってしまうので、

そこにはやはり人というものは避けて通れない」

という趣旨のことをおっしゃっているんですね。

そのことが僕は今の歳になって非常によく分かるんです。

これからの本もそういう形で人は写っていないにしても

製作のプロセスとして支えているのは人であったり

もちろん風景であったり、

さきほどいただいた言葉というのは

そういうところにつながっていたらうれしいな、

と思います。

 

 

山本>

そうかもしれないですね。今、聞いてそう思います。

ひとつの風景を探したり見つける過程においては人が介在していて、

人も自然の一部だからそういう意味では自然の表情を捉えている

と言えますよね。

 

 

GOTO>

どこどこが有名だから行く、というのではなく、

たまたま仕事とかで出会って話して、

それが話の合う人だったり間の合う人だったりすると、

その1日がいい1日になったりしますよね。

仕事なんだけど気持ちが軽やかになる瞬間があって。

栗城さんのインタビューの時もそうでした。

だから風景の時も

「富士山でこういう天気でないと撮れない」

とかいう風にガチガチで行くとガッカリすることの方が多いんです。

サンプル通りにはなってないわけじゃないですか、自然って。

常にすごいスピードで動いているので。

そうではなくて行った時にそこのベストなものを感じたり撮ったりすると、

なんでもないところでいい人と会って話しただけで

その1日がとても華やいだものになるになるみたいな、

風景に対しても共通した気持ちを持っているんです。

よくカメラ雑誌に

「これが先生のお手本です」

っていうのを提示してしまうと、

見た人はそれを真似したくなるのは人の心理としては分かるんだけど、

そういうものを期待していってしまうともう晴れが雨だっただけで

もうがっかりしてしまうんですよね。

逆に雨でいい写真を撮りに行ったら晴れちゃったりして、

あれ?ってなるわけです。

それってすごくもったいないので、

もうちょっとフラットに人だとか風景だとか区別付けずに、

まず行って観察していいところを撮る

っていうのが大事だと思います。

 

 

山本>

そうですよね、そういうコミュニケーションですよね。

人との関係も一緒ですよね。

初めて会う人で

「あの人ってああいう人だよ」

って聞かされていたりとか、有名な人で

「こういう人かな?」

っていう過剰な期待とか想いとか、気持ちが先にあると、

がっかりすることがあるじゃないですか。

もちろん逆もありますけど。

多少なりともそういうことってありますけど、

いかにその人をフラットな目で見られるかって重要だと思います。

 

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GOTO>

写真家に限らずアスリートの方も自然を観察したり

命を守るってのがあると思うんですけど、

観察眼ってのはどの職種にも必要だなって思っていて、

人によっては観察されると

粗探しをされているような気分になる方もいるみたいなんですね。

僕らは人を撮影するときにその人を観察して、

なんとかいいところを撮ろうと思っていますし、

人でも風景でもいじわるで見ているわけではなく、

いいところを抽出して誰かに見せたいと思って観察しているので、

そこにはネガティブな要素ってのは基本的には無いんです。

 

 

山本>

それっていうのは人とコミュニケーションするときの

ベーシックだけど重要なところですよね。

 

 

GOTO>

そうなんです。

風景写真って便利な言葉ですけど、それにとらわれなくていいんじゃないかな

って言いたいですね。

 

 

山本>

そうですね、ジャンルに分けること自体がどうなのかってのもありますよね。

 

 

GOTO>

このジャンルレスの時代にね。

プロとアマの境目もどんどん無くなってますし。

作品でいうと一応便宜上ぼくの撮っているのは「風景」と言ってます。

 

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雑談は第二回に続きます。

いかがでしたか?

GOTOさんの風景をとらえる視点は、本当に興味深いですね。

次回はそもそもどうして写真家に、それも旅する写真家になろうとされたのかに迫ります。

乞うご期待!

 

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GOTOさんの写真集「LAND ESCAPES」は以下で買えるますので、ぜひ手に取ってみてください。

○AMAZON

http://www.amazon.co.jp/LAND-ESCAPES-GOTO-AKI/dp/4906757006/ref=sr_1_5?ie=UTF8&qid=1402280477&sr=8-5&keywords=GOTO+AKI

 

○写真美術館の1Fナディッフバイテン

http://www.nadiff.com/shopinfo/shoplist/x10.html

 

 

<GOTO AKIさんのプロフィール>

1972年神奈川県生まれ。

上智大学・東京綜合写真専門学校卒。

1993年の世界一周の旅から現在まで53カ国を巡る。

写真集「LAND ESCAPES」(traviaggio publishing)が東京都写真美術館、Amazonなどで販売中。

現在、2015年版キヤノンカレンダーと新作写真集の制作中。

2015年初より全国のキヤノンギャラリーにて個展開催予定。

http://gotoaki.com

 

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 info@cael-utd.com

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