ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈に囲まれた山岳地帯にある、北インドの地、ラダック。
docue!でもこの夏、トレッキングの旅を企画していたところです。
その山岳地帯を222km走るランニングのレース「LA ULTRA THE HIGH」。
標高は3200m〜5600m。
森林限界を超えていて、酸素ももちろん薄いです。
気温も氷点下〜40°とちょっと、数字だけでは想像できない世界です。
でもラダックはとても美しい、それはそれはシンプルで美しい土地だと聞きます。
映画「幸せの経済学」の舞台にもなっているシアワセの国です。(かつてはラダック王国という国でした)
そんな美しくも過酷な場所で行われるウルトラマラソンのレースに日本人で唯一挑んだ方が佐藤良一さんです。
かつてはテニスプレイヤーで、今はテニスのインストラクターをしながら、世界中の超長距離や山岳レースに
チャレンジされています。
佐藤さんのプロフィールはコチラ
http://docue.net/archives/extremer/ウルトラランナー-佐藤良一(さとうりょういち)
佐藤さんとは、ラダックのトレッキングプロジェクトをジュレーラダックさんと企画しているときに、
出会いました。
今回は、そんなご縁からこのレースの完走報告会の企画をご一緒することになったのです。
佐藤さんは、ヘルニアを煩われてそのリハビリとしてランニングをはじめられました。
走っていくうちに、「これは、テニスよりも自分に向いているかもしれない」
そう感じたそうです。
2000年のサハラマラソンをかわきりに、数々のウルトラマラソンのレースにチャンレジされてきました。
24時間走世界選手権日本代表、さくら道国際ネイチャーラン、スパルタスロン、アンナプルナ70キロ、クラブウルトラ70キロ優勝、ムスタンマウンテントレイル280キロなどなど。
そんなとてつもないチャレンジをしていく中で、佐藤さんのカラダにヘルニアとは違うアクシデントが起こり始めたのでした。
心臓病。
超長距離を走るランナーにとっては、致命的とも言える病気を宣告されて、佐藤さんはショックを受けたと軽く言われていましたが、
その時の心境は僕たちには想像できないものだったのではないでしょうか。
でも、「死ぬ時に、やればよかったと後悔したくない。与えられた命をムダなく、ワクワクすることに使いたい。」
そう想った佐藤さんは、心臓病の不安を受け入れながら、さらに走りだしたのです。
二回の発作と手術を乗り越えます。(手術後次の日に走っていたこともあるそうです。)
そして今年3回目の発作で倒れたのがTHE HIGHが目前にせまった時期でした。
今回の手術は除細動の機械を胸に埋め込むというものでした。
佐藤さんもですが、そばでずっと支え続けている妻の千夏さんもとてもココロが極限の状態であったことだと想います。
手術は無事成功しました。
佐藤さんはレースにでるためにザックが機械にあたらないように、通常よりずらした場所につけてもらうよう医師に
おねがいしたそうです。(すごいエクストリーマー魂!)
そうして、レースが始まりました。
ひたすら登って、ひたすら下って、ひたすら平なところを走って、ひたすらのぼってくだる。
ラダックらしい?!シンプルなレース。
出場者は、エントリー資格がそもそもかなりの実力を求められるため、わずか8名!
5000mオーバーの峠を二回超えるこのTHE HIGH。
最初の5000m級の峠に関門があります。
ここをまずは突破するのが大変です。
足を痛めてかなり苦しい状態になるも、佐藤さんもなんとかクリアー。
ここからは、奥様の千夏さんとラダックの友人の強力なサポートが許されます。
本当にながい距離、ひたすら続く坂道をカラダのダメージと酸素の薄さを共にしながら佐藤さんは進みます。
ただひたすら進みます。
写真やビデオで見せていただいた最後の峠に到達した佐藤さんの表情。
涙する佐藤さんにこっちまで涙をもらいそうになりました。
のこり35kmの下りをひた走り、6位でゴール。
本当にお疲れ様でした!
何を想い、何を感じて、そしてチャレンジする原動力となるもの、そして過酷な中でのキモチよさとその瞬間のココロの中をもっともっと
深く知りたいと想いました。
今後のコンテンツでこのあたりと深堀りしていきたいと思います。
今回の報告会では、佐藤ご夫妻も所属されているチーム鳳のみなさん、24時間走世界チャンピオンの関家良一さん、地元開催だったのですが、地元でランニング指導をしている接骨院の方々、ラダックに何回も訪問されている方他いろんなウルトラランナーやスポーツに携わっている方々にお集りいただきました。
本当にみなさん、ありがとうございました。
最後に参加費の一部を佐藤ご夫妻とドキュウ!がお世話になっていて、ラダックと日本をつなぎ、持続可能なライフスタイルと文化を創る活動をされているジュレーラダックさんに寄付させていただきました。
ジュレー!
(ラダックの挨拶)