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栗城史多の夢「冒険の共有」〜新たなるチャレンジ〜その2

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只今秋期エベレスト単独無酸素登頂に挑戦まっただ中の栗城史多さん。

(2015/10/7現在)

栗城さんとの雑談記事の第二弾です。

(雑談は前回のエベレスト後、凍傷からの復活でブロードピーク登頂に成功された直後です)

今回は”冒険の共有”についての放談です♪

 

第一弾:栗城史多の夢「冒険の共有」〜新たなるチャレンジ〜その1

 

(文章・写真=池ノ谷英郎/聞き手=山本喜昭)

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山本>

マナスルの時から今みたいに衛星を使ってやっていたんですか?

 

 

栗城>

衛星も使ってました。2008年から。

 

 

山本>

すごいですねぇー。

 

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栗城>

その時にYahoo!さんとかに企画を持ち込んで

「こういう生中継をやりませんか?」って言ったんですけど、

「ワケが分からない奴がやってきたな」って

感じでほとんど取り合ってもらえなかったんです(笑)

でも「自分でやろう」ってやっていたら

Yahoo!さんも見ていてくれて後で「一緒に何かやろう」

って言ってくれるようになったんですけど、

初めの頃は応援者もそんなにいないし、

北海道では応援してくださる企業さんがいたんですけど、

資金面が全然足りないし。

最終的に借金したりもしたけど、

「後で返せれば大丈夫」って感じでやったんです。

 

 

山本>

なるほど。

 

 

栗城>

配信をずっとやってきてひとつ感じることがあるんですけど、

先日ブロードピークに登った時に僕の中で1つ反省点があって、

それはきれいな映像をいっぱい出しちゃったんですよ。

昔は毎日荒い映像でも「今、こんな感じ」

って何でも出してたんです。

でも、今回の映像は、今、学校などでの上映を目指した

教材的な映画を作っているので映像で勝負したいな

というのもあって映像美にものすごく力を入れたんです。

アクセス数もそれなりにあったんですけど、

僕の中では失敗だったんですよ。ブロードピークの冒険は。

 

 

山本>

それは栗城さんの中でだけ、ってことですね。

 

 

栗城>

たぶんスタッフのみんなも分からないと思うんですけど(笑)

 

 

山本>

キレイじゃん!みたいな(笑)

 

 

栗城>

そうです(笑)

何が失敗かというと、(映像に対して)来ているコメントで

その人自身をさらけ出してくれる人が少なかったんですよ。

 

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山本>

あー、自分が思っていることとか感じたこととかね。

 

 

栗城>

そうそう。

だから「きれいだ」とか「おめでとう」とか

「ありがとう」もあるんですけど、

実は僕、もらったコメントで

自分自身への点数を付けているんですよ。

現地で全部読んでいるんです。

「みんなはどういうことを感じているんだろう?」って。

それを思いながら山を登っていくんですけど、

そのコメントが「おめでとう」とか

「がんばって」だと自分への点はあまり良くないんです(笑)

 

 

山本>

「クリキ・ポイント」があるんですね(笑)

 

 

栗城>

そうなんです(笑)

前の時は「自分はこういうこと始めてみました」とか

「(栗城さんは)こう感じてたけど、自分はこう思いました」

みたいな、映像はきたなくてもさらけ出してくれる人が

結構いたんですよね。

たとえ登頂できなくても、共有した意味があったなって

思ったんです。

そういった意味では今回はナルシスト映像で

終わってしまったな、と(笑)

 

 

山本>

(観てくれた人の心を)揺さぶれなかった、

ってことですかね。

 

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栗城>

そうそう、そうなんです。

だから映像って写真1枚でもいいし汚くてもいいので、

リアルタイムに共有しようというものがいちばん伝わるんだな、

っていうのがあって、2015年にエベレストに行くときは

原点回帰しようと思っているんです。

 

 

山本>

楽しみです。

 

 

栗城>

今って「夢」って言葉を口にすると

すごく毛嫌いされるんですよね。

会社の講演会とかで「皆さん夢を持ちましょう」

って言ったら「お前は何を言っているんだ」みたいな(笑)

 

 

山本>

それは聴衆が、ってことですか?

 

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栗城>

はい、そうです。

なんだあいつはと思う人もいるでしょうし、

いろいろあると思うんですけど、

僕はきれいごとではなく大なり小なり関係なく

夢とか目標って持つべきだと思っていて、

それは叶ったからすごいとかじゃなくて、

その人の生きるアイデンティティーだと思うんですよね。

その人がその人であるシンボルみたいな。

僕だったら

「エベレストをソロで登りたい、それが栗城史多だ」

ってシンボルなんです。

夢は誰もが持っているんだけど隠してしまう、

そういうのは見せないようにした方が生きやすい、

というような風潮が僕は嫌なんです。

本来そういうのをどんどん出して言って

「あなたはそうなんですか、私はこういう者です」

っていう風に名刺代わりに出して共有していければ、

「この人がこういうことをやろうとしているんだったら、

こうやって繋いでいったらこれできるよね」

ってなると思うんですよ。

みんながそういうシンボルというか

アイデンティティーみたいなものを

共有できる世の中ができたらいいなって思うんです。

一見無駄っぽくてアホっぽいかも知れないけど

「なんだか楽しそうだから俺もやってみよう」

とか小さな声でも

「自分はこういうことをやってみようと思っているんだ」

ってことを内輪から話したりすることで

世の中が面白くなっていくんじゃないかな、

って思うんですよね。

 

 

山本>

そうですね、確かにそう思います。

 

 

栗城>

このことはすごく思っていて、だから冒険の共有も

ただ生中継するというよりは、そういうことを目的にしていきたいんです。

 

 

山本>

生中継だけを目的にしていたら、

先ほどのブロードピークの失敗の話に通じますよね。

出来たけど失敗、みたいな。

やったからいいってことではなく、

見ているのはその先ですもんね。

 

 

栗城>

そうなんです、そうなんですよ。

やっぱりなんのためにそれをやるのかってすごく重要なんです。

 

 

山本>

マッキンリーの話に引き戻しますけど、

マッキンリーに登っていた時にすでに映像があるじゃないですか。

その時もカメラを持って自分でしゃべってらっしゃったけど、

その頃から冒険の共有を意識していたんですか?

 

 

栗城>

いや、それは全く思っていなかったですね。

初めは写真かなって思っていたんですけど、

まずカメラを持っていなくて、

たまたま友達がビデオカメラを持っていてそれを借りたんです。

その時は自分もきっとこれが最後じゃないかと思ったんですよ。

 

 

山本>

1人で登るのが、ってことですね。

 

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栗城>

そう、1人で行くのが最後だと思ってました。

これで引退かなって思っていたので(笑)

 

 

山本>

始まりが「引退」だったんですね(笑)

 

 

栗城>

じゃあ、それだったらカメラを持って

自分で撮影しながら登って、

思い出の記念の映像を撮ろうと思ってたんですけど、

なんか撮り始めると、これは土屋さんも言っていたんですけど

「お前はナルシストだ」と(笑)

普通、山にカメラを持って行ったら

カメラを山に向けるんですけど、

ぼくの場合は8割くらいは自分撮りなんです(笑)

で、しゃべっているんです。

カメラを三脚に据えてまた撮ってまた戻ってきたりとか・・・

 

 

山本>

その頃からやってらしたんですね(笑)

 

 

栗城>

それは別に意識していたわけじゃないんですけど、

土屋さんやテレビ関係の人たちは

「完成度が高い」ってすごく褒めてくれたんです(笑)

どこかで表現したいという思いがあったんだろうなとは

思いますね。

初めは自分の思い出くらいに思っていたものが、

いつの間にかこだわっていたいたんです(笑)

 

 

山本>

その友達がビデオカメラを持っていなかったら

冒険の共有はなかったかもしれませんよね。

まあ、多かれ少なかれあったのかもしれないけど。

 

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栗城>

うーん、どうですかね~。

やっぱりマッキンリーに行ったときに

「ここだけでは終わらないな」って思ったんです。

そのうちカメラ持ち始めたらああなっちゃうかも知れないし。

ナルシストだから(笑)

 

 

山本>

ですか!(笑)

登っている自分とそれを鳥瞰で見ている自分、

自分が活躍しているところを自分が見ているってことですね。

だからそうなるんですかね。

 

 

栗城>

やっぱり自分のことが好きじゃないとできないですよね(笑)

 

 

山本>

確かにそうですね(笑)

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第2回の雑談はここまで。

第3回はリアルがテーマです。お楽しみに☆

 

第一弾:栗城史多の夢「冒険の共有」〜新たなるチャレンジ〜その1

 

栗城史多さん公式サイト

http://www.kurikiyama.jp/

 

 

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