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雑談インタビュー〜福元ひろこさんの歩く旅、巡礼の路〜その4

docue_10-0059歩く旅人の福元ひろこさんに巡礼の道を歩く旅について訊く雑談インタビューの四回目。

サンチャゴ巡礼の旅も熊野の旅も”たまたま”連続?!だったそうです。

ある種の奇跡がおこった秘話をガシガシ語っていただきました。

(前回はコチラ:http://docue.net/archives/contents/fukumotohiroko_3

(文章・写真=池ノ谷英郎/聞き手=山本喜昭)


 

山本>

サンティアゴの終着点に着いて、そのまますぐに日本に戻って来たんですか?

 

 

福元>

サンティアゴ巡礼路には2つのゴールがあるんです。

1つは聖ヤコブの遺骸があると言われている

サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂なんですけど、

たいていの巡礼者はその後コロンブスがアメリカ大陸を再発見するまで

「西の最果ての地」と信じられていたフィステーラ岬に行きます。

昔の巡礼者はそこで海に入り、その時持っていた服を燃やして

「古い自分は死んだ」という儀式をしたんだそうです。

だから一つ目のゴールというか、最終地点は「フィステーラ岬」。

ですが、人によってはそこからムシアという場所まで行って巡礼を終えます。

私はサンティアゴ・デ・コンポステーラに着いてからフィステーラ岬まで行き、

そこからムシアまで歩きました。

そのあとは巡礼路で出会った友達を訪ねてヨーロッパ中を旅していました。

 

 

山本>

そうなんですね。巡礼が終わった後も長く旅をしていたんですね。

 

 

福元>

日本人がビザなしでユーロ圏を旅出来るのは3ヶ月じゃないですか。

だから歩き終ってから1ヶ月くらいは旅をしていました。

と言っても、南スペインに2週間、イギリスに1週間、パリに数日

いただけで終わっちゃいましたけどね。

 

 

山本>

帰って来た後の日本、見え方は変わりましたか?

 

 

 

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福元>

もう変わるどころか、1ヶ月間はほとんど外に出ずに

人と会わなかったんですよ。「会えなかった」というか。

東京だからかなぁ?

もしこれが熊野だったら話は違ったのかもしれないけど、

何かこう…パリに行った時にすでに感じていたんですけど、

日本に帰ってきたらもう何もかも速い!

 

 

山本>

速いし多いし?

 

 

福元>

そう!情報がうるさーい!ってくらい

耳からも目からも入ってきて、

電車に乗っていてもいろんなものがあって、

いきなり都会に連れて来られた人みたいな感じ(笑)

逆カルチャーショックですよ。

 

 

山本>

知っているはずなのにね?

 

 

福元>

ハイ。東京生まれ、東京育ちです(笑)。

だけどスピードとかいろんなものについていけなくて、

巡礼で自分が得たものをなるべく大切にして、

自分の中でしっかり固めてからでないと嫌だなと思って

1ヶ月くらい籠っていたんです。

 

 

山本>

それで固まったんですか?1ヶ月で。得てきたものは。

 

 

福元>

うーん…固まっても、今みたいにやっぱりシャバに出て

生活しているわけじゃないですか。

そうすると、「Mac Book Air 欲しいな~」とか

「AirもいいけどProも欲しいな~」とか、

物欲にまみれるわけですよ!人間は!

だから、固まったかと言われると、一生固まらないと思うんですよね。

それこそ修行者の方とかが毎日毎日長い時間をかけて

心に意識をしていないと固まらないものなんでしょうね。

あ、ちなみに私、物欲を否定していませんから。

物大好き(笑)

だからさっきの質問への答えとしては、1ヶ月じゃ固まってない、

ってことでしょうか。

 

 

山本>

Rebornしたけど(笑)

 

 

福元>

Rebornしたけど、うん。

でも、ちゃんと戻ってくる場所(感覚)は出来たと思います。

心のセンターはここなんだ、このナチュラルな感覚に戻ればいいんだ、という。

 

 

山本>

分かったうえで、物欲ですね(笑)

 

 

福元>

物欲と言うか、必要なものは必要じゃないですか~(笑)

遊びは大事だし、バランスは重要ですよ(笑)

 

 

山本>

(笑)

熊野(=熊野古道)にはなぜ行こうと思ったんですか?

 

 

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福元>

さっきちょっとお話ししましたけど、こういうの(巡礼で得た感覚)を

味わう人が増えたら世の中がちょっとずつでも

変わるんじゃないかと思ったんです。

スペインの巡礼の体験をお友達に話すと、ほとんどみんなが興味あるって言ってくれるんですけど、

みんながみんな1ヶ月や2ヵ月のお休みを取れるとは限らないじゃないですか。

私だって、あの感覚をもう一度体験したいからと言っても

そんなにしょっちゅうスペインには行けないし…

と思った時に、日本の中にもそういう道があれば自分もパッと行けるし、

行きたいと言っている人に

「日本のあの道もいいよ」

 

とお勧めすることもできるし。

それと海外行かれた方はみんな思うと思うんですけど、

海外に行くとなおのこと自分が日本人であることを強く感じる。

それなのに自分が日本のことを知らないことを強く感じると思うんですよ。

 

 

山本>

そうですよね、全然知らないですよね!

 

 

福元>

まったく知らない!

あとね、歩いている時、スロバキア人の巡礼者に言われてショックだったのは、

「私、いつか日本に行きたいんだけど、でも私、

パンが大好きだから1ヶ月パン無しとか耐えられないと思うの」って言うの!

なんて偏った情報!

別に日本人は米ばっかり食べているわけじゃありませんけど!って(笑)

正しく日本(の情報)が発信されていないんだなって

肌で感じました。

そう思ったら、自分も日本をもう一度勉強したいし、

自分の国のいい所を海外に発信していきたいと思って、

次は日本を歩いてみたいなと思ったんです。

そんな中、たまたま奈良に旅することがあって、

ある神社に行った時に私は心が震えたんですよ。

すごい神社だ!って言うか、この場所すごい!って。

 

 

山本>

場所のパワーを感じたってことですか?

 

 

福元>

そう。何にも知らないでたまたまその場所に行ったんですけど、

あまりにすごい場所でビックリ仰天していたら、

実はそこは一説によると熊野の奥ノ院と言われているだったんです。

「これが熊野なのか!なんという神々しさ。だとしたら私は熊野古道を歩きたい!」

って思ったんですね。

それまで私の熊野古道のイメージは、

「山を愛するシニアの方が定年退職後に行く場所」というイメージだったんです。

とても失礼ですよね、ほんとすいません。

でも、その奥ノ院と言われる神社に行ったことで、熊野の荘厳さとか神秘的な感じとか奥深さとか、

そういう、畏れを感じるくらいの空気を肌で感じて、惚れてしまったんです。

で、歩こうと決めたんですけど、私はサンティアゴ巡礼で

ルルドから歩きはじめたように出発点も大事にするので、

出発するのにふさわしい場所から出発したいと思ったんです。

それで調べたら、熊野古道伊勢路というのがあって、

伊勢神宮からつながっていることを知ったんですね。

日本を代表する聖地をつなぐ道があったなんて!ということで、

伊勢神宮から歩くことにしたんです。

 

 

山本>

それもまた、たまたまなんですよね?

まあ、たまたまではないんでしょうけど(笑)

 

 

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福元>

すごい笑えるほどたまたまなんですよ(笑)

で、たぶん伊勢路のような聖なる道はレイラインとかとも関係あると思うのですよね。

だから山本さんがおっしゃっていたレイラインの方(内田一成さん)にも興味あります。

 

 

山本>

今度ぜひ会ってください(笑)

 

 

福元>

レイラインの方は神様巡りの旅ですよね。[h1]

 

 

山本>

それもしていたんですか?

 

 

福元>

していた、というか、それもたまたまで(笑)、

別にしようと思ってしたわけではないのですけど。
そもそもその、熊野の奥ノ院とも言われる神社に行くことになった

奈良の旅の時にですね、

奈良に行く前に京都に行ったんです。

京都の鞍馬寺って有名ですよね。

あのお寺にどうしても行きたくて。

で、せっかくだから奈良の三輪山にも行こうかな、

みたいな感じです。三輪山はご存知ですか?

 

 

山本>

いえ。知らないです。

 

 

福元>

山本さん、関東の方ですか?

 

 

山本>

いえ、僕、京都の人です。

 

 

福元>

何で知らないんですか!?(笑)

 

 

山本>

さっきの話と一緒で、驚くほど自分の住んでた街を知らないんですよ。

 

 

福元>

分かりますよ!私、東京タワー上ったことないですもん。

そういうことですよね?

 

 

山本>

そういうことです。

 

 

福元>

ちょっと、レイラインの人に訊いて勉強した方がいいですよ!(笑)

 

 

山本>

はい、訊いておきます(笑)

 

 

福元>

で、鞍馬寺、貴船神社、三輪山、天河神社という風に旅をしたんですね。

そしたら、天河神社に着いたのがたまたま金環日食で

盛り上がっていた日で、たまたま通りがかった男の人に

「せっかく金環日食の日にいるのなら、特別な神事があるから行きなよ」

って言われて、ちょっと裏の拝殿に行ってみたら、本当に少人数の、

公ではない特別な神事が行われていて。外から覗いていたら中に入れてくれて、

そこでもらった竹輪を食べていたら…

 

 

山本>

竹輪をくれるんですか?

 

 

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福元>

そう竹輪をくれたんですよ。たまたま。

そこでは神社の関係者ばかりの中で部外者は私と

もう1組の山ガールっぽい人たちだけだったんですけどね。

その人たちが話しかけてきて、「あなたもあの神社に行ったら?」

って言われて、それでたどり着いたのが、熊野の神社だったんです。

 

 

山本>

その山ガールに?

 

 

福元>

だからもうこの話は話すと長いんです(笑)

私はちくわの山ガールに話を聞く前から、その神社に行きたかったんですけど、

その神社まで天河神社から2時間はかかるから行けないや、

と思っていたんです。でもその山ガールに

「1時間で行けるよ。私たちはこれから行くよ。あなたも行ってみなよ」

って言われたのです。

で、やっぱり2時間かかったんですけどね(笑)。

でね、そもそもじゃあなんで、その「奥ノ院」と言われる神社を知っていて、

行きたかったのかというと、これも長くなるんですけど、

なぜかグーグルマップをみていて、私はその神社と神倉神社(熊野速玉大社の摂社)

を勘違いしていたんです。普通なら間違えようがないんですよ。

だから私は、その神社に行こうとしてたのではなくて、神倉神社という、

もっと街中にあって、熊野のガイドブックには必ず載っている有名な神社に行くつもりで、

その神社がそうだと思い込んでいたんです。

 

 

山本>

でも、間違えて行って…

 

 

福元>

そうそう、たまたま間違えてたし、たまたまが重なって、

行くことになっただけなんです。だから到着してみたら、

「あの神倉神社の大きな岩はどこ?」という感じですよ。

「あれ?ここはどこ?」状態ですよ。

 

 

山本>

それが熊野古道を歩くきっかけになったんですよね?

 

 

福元>

そうそう!そうなんですよ!

それがきっかけで熊野を歩くことになったんです。
(つづく)


 

第4回の雑談はここまで。

さあ、次回いよいよ最終回です。

乞うご期待。

 

雑談インタビュー〜福元ひろこさんの歩く旅、巡礼の路〜その1

 

雑談インタビュー〜福元ひろこさんの歩く旅、巡礼の路〜その2

 

雑談インタビュー〜福元ひろこさんの歩く旅、巡礼の路〜その3

 

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