「アーバンサバイバル入門」服部文祥 著(デコ)
冒険家や登山家はある意味で表現者なんだと思っている。
勝手に自分の為にやってるんだからと、目立って発信しない人であっても、その行為は、自己表現である。
仮に他の誰にも一切語らず、自分の中にその行為自体、あるいは行為を通して感じたことについて胸の内に留めていたとしても、やはり、自らの内から湧き出す歓喜を自ら味わうのだ。それは自分自身に向かった内なる表現といえまいか。
サバイバル登山家の服部文祥さんの近著である「アーバンサバイバル入門」は、登山〜サバイバル登山〜狩猟の先に服部さんが行き着いた自力生活の記録であり、ある種ハウツー本であり、図鑑のようでもある。
サバイバル登山だけでなく、セルフビルド、D.I.Y.、自給自足、狩猟採集、手仕事、アウトドア、養鶏、養蜂などのワードにピンとくる方にはぜひとも読んでほしい。
個人的には、プロローグとエピローグの文章がツボである。
大自然と向き合う表現者、星野道夫さんへの共感から、彼の被写体であるイヌイットの生命力、生きるチカラに焦がれたという下りはドキュウ!で伝えたいことを代弁してくれているのだ。
(文:山本喜昭)
ドキュウ!なドクショとは?