昨夜はYAMANOVA レーベル第一弾書籍『なぜ走る』(佐藤良一著)の出版パーティだった。
佐藤さん改めましておめでとうございます。
場所は佐藤さんの懇意にしている六本木のインドレストランMOTI。
ぜんぜん話はのっけからそれるがここのカレーはものすごくうまい。
あとビリヤニも。
ぼくはそんなにインド料理通ではないのだけど、そんな僕がもう15年くらいの東京生活の中でお気に入りのインド料理屋さんでもあるのだ。
パーティには、60人以上の方々が佐藤さんの出版を祝って参加してくださった。佐藤さんのランニングの仲間、旅の仲間、そしてテニスの仲間、またサプライズで台湾からもゲストがいらして大変もりあがったのだ。
あらためて佐藤さんの人柄や挑戦し続ける人の求心力を垣間見ることができたぞ、うん。
この本は、ドキュウ!でインタビューや執筆などお世話になっている佐藤さんに
「本を出したりされないんですか?」
と割と気軽に聞いたことが、ぼくが関わるきっかけだ。
聞けばもうすでに原稿があると言う。
読ませてもらってその生き様のおもしろさ、壮絶さに感動したぼくは、なんとかして本にしたいと思った。
それから、いくつかのつてを頼って何社も出版社にかけあったが、やはり今の出版事情はきびしく、門前払いか、拝読して返事しまーすなんて返事のまま音沙汰なしだったりした。
そんな中で相談にのってくれる出版社もあったのだけど、結果はすべてNO。
今、佐藤さんのこの話を自社から出す理由がほしい、だとか、
売れる見通しが少しはないと、だとか、
読む前から、あなたの世の中に言いたいことがわからん、だとか、
いろんな理由で実現できなかった。どうしたら実現するか悩みに悩んだ。
そんなこんなで3年ほどたった時、佐藤さんの決意で自費出版することとなり、その制作をまかしてもらえることとなり今回の出版に到る。
広く多くの人にたくさん売れたほうがいい、というビジネスも否定はしない。
でもねえ、特に紙の本のビジネスって結構難しくなってきてる現状もあると聞く。
本離れとよく聞くけど、むしろみんな活字(PCやスマホなど電子も含む)を読む量はむしろ感覚的だけど増えてるんじゃないですかね。
従来の出版というビジネス構造がもう、世の中にフィットしずらくなってきているんだと思う。
だからことごとく断られたという側面もあるんだと思う。
しかしながらだ。
これからもっともっと本、特に紙の本、心のこもったものや、とっても面白かったり、手に取る温もりのある紙の本って存在感が増して行くような気がしてならない。
少部数でも読みたい人に、そして著者が届けたい人に届けられる本作り。
これを機会にYAMANOVA らしい出版を続けていけたらと改めて思っている。
今回は佐藤さんの自費出版をYAMANOVAレーベルで制作させてもらった形だけれど、きっと自費出版以外の方法もこれからあると思っている。
クラウドファンディングや受注生産、共同購入などいろいろな形で。
クルミド出版さんがされている自分たちで製本するとかもとてもおもしろい。
無料でWEBで公開して読んでくれて気に入ってくれた人がギフトで送る専門のネット本屋とかもいいかも。
ところで、仕組みはいろいろ考えられるのだけど、お金がたとえ集まっても書きたい!本をつくりたい!だけでは書籍化はなかなか難しい。
いや書いてそのまま作ることもできる場合もある。それは著者の文章力と表現力、構成などの力があり、自らデザインまでできる場合だ。
でもほとんどの人はすべてをできないよねえ。
やっぱり、プロの編集者やデザイナー、校正者など様々なクリエイターが必要だと当たり前だけど改めて思ったのだ。
かつて人類が農作をするようになってから、職人だとか様々な専門職をある種のパトロンとして育ててきたなんてこともあるように、それの現代版も挑戦しがいがありそうだ。
YAMANOVAの将来作りたい暮らしの共同体では、この現代版にチャレンジしてみたいと思っている。
旅人や冒険家、挑戦者、自然にかかわる人たちなどの書きたい人と、それを実現できるクリエイターがお互いハッピーに活躍できる形を。
そういう仕組み、すでにあるよー、だとか、それおもしろい!やろう、とか応援するよ、なんて人や会社がいたらぜひ御声掛けいただきたい。
さて、この『なぜ走る』は500部限定で刷った初版もすでに半分以上が発売二週間で売れている。
残り半分も完売目指して、この生きるチカラのヒントが満載の本をスローに販売していきたいと思う。
なせ走るのご注文はドキュウ!の下記のインフォに注文ページがあるので、ぜひお手にとってもらえたらうれしいです。
(文:山本喜昭 〜ドキュウ!発行人/YAMANOVA主宰〜)
佐藤良一さんプロフィール