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ヒーローと冒険家 その1

Backpacker on bailey traverse一つのモノゴトを徹底的に観察したり吟味したり探究したりすることも、

それはもうスンバラしいのだけれど性格も多分にあるのだろうが、

ずーっと同じことを突き詰めるのはどうも苦手だ。

それとは違って、一見違う複数のモノゴトを比べて

その共通項を炙り出す行為というのは、なかなか楽しい。

日本と外国、地球と宇宙、インドアとアウトドア、男と女、悪魔と天使、美女と野獣

などなど比べ始めたらキリがないったりゃありゃしないのだ。

 

全く正反対の2つの要素から世界や事象のが根本的に成り立ってる

みたいなことを二元論(あってますかね?)とかいうみたいだ。

前述以外でいうと善と悪や精神と物体などがそうだ。

二元論的に考えるのもなかなか面白いし、その境目を探って行くのなんか

エクスタシーさえ感じる。

でもね、今日は正反対ではなくなんとなく感覚的に同じ方向を向いてるんとちゃうん!な

二つを比べてみたいと思う。

そう、ビーサンとわらじ、犬と狼、ラグビーとアメフト、

はちみつとメープルシロップみたいな感じ。

 

おっと、イカンイカン。

書き始めると前置きがいつもの癖でダラダラグダグダしてしまった。

とはいえ書き直すことなんてまーったくせずに気を取り直して書き進めるとする。

 

今回のテーマは”ヒーローと冒険家”なのだ。

今、ドキュウ!ラボでは、第一弾プロデュース映画として

阿部雅龍という冒険家が計画しているプロジェクトのドキュメンタリーを創っている。

(予告映像第一弾がこちら>https://vimeo.com/165545276

 

明治の探検家である白瀬矗の遺志を引き継ぎ彼の到達した地点(大和雪原)を通って

南極点まで単独徒歩で行く冒険だ。

そんな阿部ちゃん(あくまでニックネームで、バブル期のテレビ業界的セイブンは0%である)は

根っからのヒーロー好き。

特に仮面ライダーは大好物らしく、平成仮面ライダーのクウガに憧れている。

彼の肩書きは冒険家ではなく”夢を追う男”でこれはクウガの主人公である

五代雄介(オダギリジョー)の肩書きと同じなのだ。

しかも五代の職業は冒険家である。

ああ、ライダーの説明をしてたら本題に入れない。。

がしかしBUT。

説明しないと進めない嬉しもどかし朝帰り状態なのでそのまま進めるとする。

そんな阿部ちゃんの映画を作るにあたり、今、ヒーローについての本を読み漁っている。

ヒーローってかっちょいい!というのが子供の頃のイメージだけれど、

なんともディープなホントにディープな世界だということがわかってきた。

ウルトラマンと仮面ライダーの違いや、昭和のライダーと平成のライダーの違いや変遷などは

読んでいてウッフンコーフンなのだ。

ザクッと理解したところをかいつまんでいうとだ。

ウルトラマンは平和な我々人間の世界に突如として侵入してくる怪獣や

宇宙人から人々と地球を守るために光の国から現れるヒーローである。

怪獣が悪でウルトラマンが善。

善と悪がはっきり分かれているいわゆる勧善懲悪ストーリーなのである。

これをその当時の世情に例えると戦後から高度成長期を迎える日本において

怪獣=悪=敵がソ連など日本に侵略してくるかもしれない国であり、

科学特捜隊は自衛隊、その科学特捜隊では到底日本を守れない状況で

光の国=平和と正義の桃源郷から登場するウルトラマンがアメリカとも言える

なんて書いてある。

一方仮面ライダーはウルトラマンより後に登場する。

高度成長期を迎えて消費社会、管理社会に突入した頃だ。

1億総中流社会。

誰もがいい学校に入っていい会社に入ればハッピーライフを進んで行けた時代。

その一方で核家族化、個人主義化していく時代でもあった。

大きな”敵=悪=脅威”という対象がなくなりつつあり、

それぞれが小さな敵と戦わねばいけない。

ある意味誰もが小さなヒーローであり善も悪も同じ社会に内在している状態だ。

それは仮面ライダーがどこか別の星からきた怪獣でもウルトラマンでもなく、

地球に存在する悪の組織ショッカーから生まれ、そのショッカーと戦うという設定に

現れているなんて読んだ本には書かれている。

ほんまや! と何度もうなづきながら読み進める。

ちなみに読んでた本は「リトルピープルの時代」という本なのだ。

そして平成仮面ライダーシリーズになるとガラッと変わり、

ライダーは改造人間ではもはやなく、戦うために変身する身体拡張装置となり、

挙げ句の果ては敵もライダー、見方もライダー、ライダーじゃない敵もいたりして

渾然一体バトルロワイヤルごった煮ガンボスープ的展開をみせるのである。

これはもう、実際に映像を借りてみるしかない!(まだ見てないけど)

しかしコーフンしてばかりはいられない。

これも世情に照らす。ソ連の崩壊とともに冷戦が終わり

国家同士やその代理戦争よりも不安定な国の中の内戦や紛争が

各地で勃発してくる。

911以降はテロという国家ではない見えない敵との戦争の時代に。

後ろで操るのは戦闘で儲かる軍事産業や銀行、投資家など誰とは限定しにくいけれど

確実に存在する新自由主義というつかみどころのない敵=悪。

敵といいつつ、そんな産業や会社に属して働いていたり、

そんな会社が作り出す商品を使って生活していたりする市民がいる。

善と悪の区別がつきにくい時代なのだ。

ふはー。

大前提の話がようやく書けたので、やっと本題。

次回はそんな時代によって変遷するヒーローのあり方と冒険家との話に入ろう。

 

(文:山本喜昭)